2009/01/29

リシケシュ紀行 <5>

続いて<Mr. Babbar ①>。
バッバル氏と3日間一緒に行動していて、、、おそれ入りました。

VIP対応好きなのか...?!

「Ayako、駅に着いて、電車の席がエグゼクティブ・クラスじゃなかったら、
エグゼクティブに変えよう!!」と言ってきたバッバル氏。
しかし、ハルドワールまでの電車では一番早くて良い電車の
それもファースト・クラス、エアコン付きを予約していて、これが一番いいはず。
「ファーストのACが一番いい席で、エグゼクティブは無かったと思います」
「そうかな〜あるんじゃない?」となかなか信じてもらえず...。
しかしこの件は、現地にて実際に見てみて大丈夫でした。

それにしても、ファーストクラスはすごいです。
新聞(好きなものを選べる)とペットボトル1本の水が各自に用意され、
まずは紅茶とビスケットと飴にはじまって、
その後は、スナックと、しっかりした朝食(それも選べる)から、果物にジュースまで
4-5時間食べ続けていたくらい、常に何か運ばれてくる感じでした。
ちなみに帰りはもっとすごい。ディナーと言ってもいいようなスナック類の後
本格的なディナーが。それにミターイーやアイスクリームもついてくるし。

しかし、帰りは帰りで、バッバル氏は完全にVIP対応。(いつの間にか...。)
途中で20分止まる駅があるのですが、その前に、ウォッカとソーダとコーラを
買ってくるように、駅員に頼んでいたらしいです。
おそらく「わたしはこういうもので...」とそれなりに並べたのだとは思うのですが
インドでは大げさくらいに自分の事をアピールしてようやく信じてもらえるいうか
そうしないと、何もできない時もあり、またそうすることによって
すんなりとまかり通ってしまう...。こういうのが、インド特有の恐るべしところですが
インド人はその手のことは根っから心得ている気がします。

アルコールとともに、私たちのところだけ、
瀬戸物のお皿に入った「おつまみ」まできます。
ひとつには、人参と大根にレモン汁を絞ったようなスティック生野菜と、
そしてカシュナッツなどのナムキン類。
バッバル氏は言います。
「この車両の80%の人は飲んでいる」
辺りを見ると、確かに隣の二人はビールを飲んでいる...。
悪いことではないのですが、インド人はアルコールを口にしない人も多いので
それを思うと、異常に飲んでいる人が多い気がするファーストクラス。

その後、ディナーは、ノンヴェジかヴェジかと聞かれましたが、
他の乗客には、機内食のようなお盆にのったセットで配られる。
私たちにそれは来ない。そしてその後、
きちんとしたお皿に、チキンの照り焼きと、チキンカレーが盛られてきました。

インド人のVIPたちは、通常このように特別扱いされているんだなーと思いましたが
それをバッバル氏も知っていて、やっているというわけか...。

ただ、この食事が私のお腹の調子を狂わせ気がしないでもないんです。
新鮮さにおいて、どうなのかな?と。
私にはセットメニューの方が魅力的でした〜。


その他、アシュラムではガンガーの見える部屋に泊まりたくてしょうがなかったり
他のホテルも見てみたかったり、訳を話したところでいつまでもそれが頭から
離れない様子ではありましたが、
しかし、しかるべき人であるということも確かなのです。
それがしっかりとわかった旅でした。


私とムクタさんはとにかく予定通りにミーティングや物事をこなす事に
一生懸命。その分、そのような時間管理など一切構わず
感性の趣くままを貫いていたのがバッバル氏です。
根っから、人好きで、気の会う人とは、ずーーーと話し込みます。
そして、いろんな場で、出会う人会う人と長話になります。
朝食のために食堂へ行くと、たくさんの外国人と出会います。
彼ら彼女らに微笑みながら話しかけます。
「グッド・モーニング」「楽しんでいるかい?」と声をかけ、その後、
話しに乗ってきた相手には、自己紹介し、デリーのスタジオへぜひ来てくださいと。
そして相手がイギリス人ならば、イギリスへ行った時のことにはじまり
イギリスに住んでいる友達のこと...
相手が、マッサージ師だとなれば、いろいろなアドバイスを求める...
毎回毎回違う人に声をかけていきます。
これが朝から夜まで続く感じです。


アシュラムへの帰り道、CDショップに自分のCDを置いてもらおうとするバッバル氏。
持参したCDをまずは聴いてもらいます。
店主の目をじっと見つめるバッバル氏。そして眼力の強いバッバル氏からは
視線をはずしじっと一点を見つめて集中モードに入る店主。



バッバル氏は、目をつぶって音楽に酔います。
店主は一向に目線を変えません....。約10分ほど。



そして、ようやく店主が感想を述べると
「あなたの音楽に対する評価は素晴らしい。あなたの店に私のCDを
おいてもらうことがどんなに光栄なことか...」
「今度はポスターをもって来るのでそれを店の看板の目立つところに貼ってください。」
と続ける。二人とも仲良しっぽくなってきて
「わッはっはっはっは...」得意の水戸黄門的笑いまで...。


そして、アシュラムでもCDを置いてもらえないかと尋ねる。
そして「ハーモニウムは借りられないかな〜?」と会う度に言い続けます。
「私はこういうもので...」と話しながら...。
しかし、我々の泊まったアシュラムでは、そこのCDでさえも売らない場所ではあり
ハーモニウムもだいたい使っていたり...。それに最初は誰もが
少し不信がり、そこまでの特別サービスはなくてあたりまえかとは思います。


そして、2日目の夕食後、事務局の受付にいた2人のおじさんにも
わざわざ挨拶にいき、話し始めたバッバル氏。
彼らも最初は堅かったのですが、どんどんバッバル氏の話しに巻き込まれて
しまいには、自分の携帯電話に入っているガザル(インドの演歌のような歌)を
何曲も何曲も聴かせては、みんなでうっとり〜〜ということになりました。
受付のおじさんはいずれも、バッバル氏の最も得意とする「ガザル」が大好きだったのです。
さらにそのうちの一人は、息子さんはタブラを弾いているとのこと。
バッバル氏は、自然に素直すぎるほどに、自分の気の向くまま行動しているようなのですが
なんとなくいい感じで周辺がバッバル氏のペースに...。

「アシュラムに勤めているのに、彼らはバジャン(神に捧げる歌)じゃなくて
ガザルばかり聴いている」というのがバッバル氏的にはとってもおもしろかったようです。


そして、アシュラム滞在たった3日にして周りの人たちは
どんどん変わっていったのでした。その模様と
「歌う、歌う、我が人生は」は続編に続きます。

See you soon!!!

2 件のコメント:

  1. 列車の中でスナックってまさかポテチじゃないですよね?
    VIP待遇で具合悪くなっちゃったんですね。

    最近はCDショップもチェーン店が多くなってきているから、小ぢんまりしたCDショップってあんまりないんでちょっと珍しい雰囲気です。

    写真で見る限りそんなに在庫かかえて大丈夫?ってくらい品揃えが充実してそうですね。

    どんな音楽が並んでいるのか興味津々です。

    それにしても自分はVIPなんだとアピールするとVIPになってしまうって、もちろんバッバルさんにはそれをアピールできるバックボーンがあるんでしょうけど、やっぱりインドおそろしす。

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  2. 覚えているのは、袋入りのカシューナッツ、ポテチじゃないけど
    インド風味の海老せんみたいなのと、カチョリというドライカレーが
    包まれた堅い揚げパンみたいなもの、そしてミターイとチョコレート...。
    紅茶用のお湯は一人にひとつ小型のポットできました。

    リシケシュは、ビートルズ好きやヨガ好きな外国人が多く訪れる町で、
    実際売れているようです。在庫は内容によってはデリーより多く、
    また数軒のお店が川沿いに集まっているので買いやすいし。
    古典インド音楽や神に捧げる曲や、ヨガや瞑想関係が多かったです。

    そうそう、バッバル氏は笑みを浮かべながら、
    「Ayako、アイスクリームもうひとつ食べたい? きっとくれるよ」
    と言うので、何ともおかしかったです。

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